赤江珠緒さんが肺炎で入院されました。ご主人さんは幸い退院されたとのことですが小さなお子さんを育てながらのこれまでの生活や入院後の不安等を考えるととても心が痛いです。誰かに子供の世話を頼もうにも頼めない感染症を抱えての事態にどうすればいいのか簡単に解決策は思いつかないです。

その赤江さんが入院される際のコメントに強い印象を受けました。

「改善しているのか悪化しているのかを自分で判断するのはかなり難しい。」

確かそのようなことをおっしゃっていたように思います。

先日厚生労働省から13項目の重症化サインが発表されました。息切れを感じるとか唇が青いとかいつもと様子が違うとか。

これはこれでとても重要なサインだと思います。でも赤江さんのコメントに対する解決策にはなっていないなあというのが正直な感想です。これら13項目の重症化サインは重症になった人のサインと言っても過言ではないからです。

本当に必要なのは重症になる前の重症になりそうなサインだと思います。言い換えると症状が出る前にわかる重症化サインです。

これは自覚症状が出る前に知る必要があるわけです。

このために臨床検査があると思います。

なんだ、結局医療機関にかからないといけないのか。と思われるかもしれませんが、そのために臨床検査があると思っています。日本の臨床検査は本当に充実しています。また、兼ねてから私が気になっているのはあまりにもPCR検査ばかりに目が向きすぎているなという点です。

PCR以外にもいろんな検査があるではないでしょうか。

例えば、埼玉県立循環器・呼吸器病センターの先生方が素晴らしい報告をされています。重症化する症例に関連する事項として、リンパ球数1,000/μL以下、CRP2.5以上、フェリチン430ng/mL以上を上げておられました。また下痢も重要因子だと報告されています。胸部CTはもちろん直接肺炎の有無を判断できるので有用ですが、コロナ疑いの方を撮影したらその後消毒作業も必要となり、その他の患者さんの検査スケジュールに影響が出ることも考慮しなければなりません。

そうすると簡単に採血ですぐ結果の出せる臨床検査はPCRとセットでやるべきなのではないかと思います。そして陽性になった方は少なくとも数日ごとにこれらの検査を経時的に見ていけばいいのではないかと思います。上記基準を満たさなくてもそれにだんだん近づいていたら要注意できます。

また、若い方も含めて脳梗塞を併発するという事例も報告されています。少し前からD-ダイマーという凝固因子が高値になるという報告もあり、もしかしたらDIC(播種性血管内凝固症候群)という重篤な合併症を引き起こしやすいのかもしれません。普通、怪我をしたら血液が空気に触れて初めて血液は凝固してかさぶたができて傷が治るという流れです。DICは重篤な患者で起こることがあるのですが、血管の中で勝手に血液が凝固していってしまう病態です。この病態のときD-ダイマーが高くなるんです。エコノミークラス症候群というのがありますがこれも血管の中で凝固が起きて肺梗塞を起こす病気ですがD-ダイマーが上がります。もしかしたらコロナで肺梗塞が併発するのかもしれません。

ですから少なくともPCR陽性なら(感染者あり得るのでできれば陰性でも)、そしてたとえ軽症でもコロナ抗体、リンパ球数、CRP、フェリチン、D-ダイマーをしっかりと検査し、簡便にできるリンパ球数とCRPは経時的にフォローアップするのが良いのではないかと思います。状態によってはPCRと抗体検査もフォローアップが必要だと思います。

昨日テレビで石破茂先生が素晴らしいコメントされていました。

「スピード感の感は要りません。スピードが大事です。そうするともしかしたら後で間違いがあったと思うことがあるかもしれません。しかしそれは率直に認める覚悟を持ってとにかくスピードを持ってことに当たる必要があります。」

私も全く同感です。PCRばかりに目を向けないで重症化をスピード良く事前把握する方法を広く考えていって欲しいと思います。