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RHEUMATISM

リウマチ・膠原病外来

リウマチ疾患について

関節リウマチは、通常は体を守るべき免疫システムが、自身の正常な細胞を誤って攻撃する免疫疾患です。

遺伝的素因や環境的要因など発生要因に関して確かなことはわかっていません。ただ免疫細胞や滑膜細胞からサイトカインが放出されて、関節炎を引き起こすのが基本的な発症メカニズムです。リウマチの症状が長期化すると、破骨細胞の活動によって骨が破壊されることもあります。

リウマチの原因について

関節リウマチは、免疫細胞が過剰に反応し、自分の身体を攻撃することで関節内に炎症を引き起こす疾患です。初期には手足の小さい関節にのみ症状が見られますが、病気が進行すると膝や肩、股関節など大きな関節にも影響が及びます。

詳しい原因は残念ながらわかっていません。遺伝的要因、喫煙、生活習慣の悪化、日々のストレスなどが関連していると考えられています。

リウマチの症状

  • 01

    朝のこわばり

  • 02

    関節の痛み・腫れ

  • 03

    微熱、倦怠感、食欲不振

膠原病について

膠原病は、免疫システムの異常により、自己の細胞や組織を攻撃する病気の総称です。膠原病はリウマチよりも広範囲に影響を及ぼします。

全身の臓器を侵す全身性エリテマトーデス、筋肉が主な標的である皮膚筋炎・多発性筋炎、皮膚が主な標的である強皮症、涙腺や唾液腺が影響を受けるシェーグレン症候群など、症状が出る箇所や症状の出方によってさまざまな病名が付けられます。

  • 全身性エリテマトーデス

    全身性エリテマトーデスは、関節、皮膚、腎臓、神経などに炎症や障害を引き起こす自己免疫疾患です。主に20代から40代の女性に多く発症する傾向があります。ただ思春期や中高年の男性も発症することがあり、明確な原因はわかっていません。

    初期症状には発熱、関節炎、皮疹の他に、筋肉痛や全身の倦怠感も見られます。病気の進行とともに、脱毛、光線過敏症などの症状が出るのも特徴です。

  • 皮膚筋炎・多発性筋炎

    多発性筋炎は、筋肉の炎症が原因で筋力が低下し、動かす際に痛みが生じる病気です。また皮膚にも症状が現れる場合は皮膚筋炎とも呼ばれ、赤い発疹や腫れが見られます。

    多発性筋炎・皮膚筋炎は患者様ご自身の体内で、筋肉や皮膚を攻撃する抗体が生成されて、免疫系を攻撃している状態です。なぜ自身の組織が標的となるのかは、現在のところ明確にはわかっていません。

  • 強皮症

    強皮症は、皮膚や内臓が硬くなる慢性疾患で、患者様によって症状の進行度合いが異なります。主にびまん型と限局型の二つの形態があります。びまん型は広範囲にわたる皮膚の硬化と内臓への影響が特徴で、限局型は皮膚の硬化が限定された範囲にとどまり、内臓への影響が比較的少ないのが特徴です。

    どちらも30~50歳の女性に多く見られますが、小児や高齢者にも発症することがあります。免疫異常や血管の問題などが関与していると言われていますが、完全には解明されていません。

  • シェーグレン症候群

    シェーグレン症候群は、自己免疫疾患の一種で、中年の女性に多く見られる傾向があります。主に涙腺と唾液腺の炎症により、口腔内や目の乾燥を引き起こすのが特徴です。

    ほかにも肺、肝臓、皮膚、甲状腺などにも影響を及ぼすことがあり、それぞれ異なる症状を引き起こします。遺伝的要因、環境因子、ホルモンの変化などが発症に関与していると考えられています。

その他の主な対象疾患

  • 混合性結合組織病
  • ベーチェット病
  • 高尿酸血症
  • 抗リン脂質抗体症候群
  • 血管炎症候群
  • リウマチ性多発筋痛症

など

リウマチ・膠原病の検査と診断

リウマチ・膠原病の疑いがある場合、まずは問診や診察を通じて、身体の特徴的な変化を確認します。その後、血液検査や尿検査で免疫機能や炎症の状態を捉えます。特に関節リウマチの場合は、レントゲンや超音波などの画像検査を利用して関節内の状態を把握するのが基本的な流れです。

さまざまな検査結果を総合して、国際的な診断・分類基準に照らし合わせて、症状の診断を行います。

  • 血液検査

    リウマチ・膠原病の診断をする血液検査では、炎症に伴って増加する特定の蛋白質を調べます。血沈やCRPだけではなく、抗核抗体や補体価の検査などを行うことで、自己免疫反応の有無も分析可能です。最近では、それぞれの膠原病ごとに特異的な自己抗体の検査にも対応しています。

  • 画像検査

    リウマチ・膠原病の診断においては、画像検査も重要な役割を果たします。特にレントゲン検査では、骨や軟骨の変化や変形の有無を確認可能です。

    また超音波検査(エコー)を用いると、関節内の滑膜の肥厚や炎症状態などを観察できるので、発症初期の変化も捉えられます。結果的に早期の診断および的確な治療計画の策定に役立ちます。

リウマチ・膠原病の治療について

リウマチや膠原病の治療に関しては、免疫系の活動を抑えるステロイド剤や免疫抑制剤といった薬物療法を行うのが基本です。

そして症状や病気の種類によって使用する薬は異なります。たとえば関節炎には鎮痛剤だけを用いることもあれば、ステロイドを追加する症例もあります。また多発性筋炎では、ステロイドに加えて複数の免疫抑制剤が用いられることもあるのです。

個々の患者様によって薬の副作用も異なるため、検査結果をもとに適切なケアとサポートを行います。

治療に用いられる薬剤

  • 非ステロイド抗炎症薬
  • 副腎皮質ステロイド
  • 抗リウマチ薬(DMARDs)
  • メトトレキサート(MTX)
  • 免疫調整剤
  • 免疫抑制薬
  • 生物学的製剤
  • JAK阻害薬

など

日常生活で気を付けること

膠原病やリウマチの予防において、健康的な生活習慣は病気のリスクを減らし、全体的な健康を向上させる鍵となります。そのためバランスの取れた栄養豊富な食事と適切な運動による体重の維持は欠かせません。

また、喫煙はリウマチの罹患リスクを高めるので、積極的に禁煙をするようにしましょう。さらに紫外線対策も同様に重要で、特に膠原病に敏感な方にとっては日焼け止めの使用や長袖を着用することが有効です。

このように体に刺激を与えず、心身のバランスを保つことで、免疫システムが整い、膠原病やリウマチのリスクを減らす効果が期待できます。