コロナウイルスに打ち勝つために 〜免疫編〜 ①睡眠
連日コロナウイルスの報道が続き、そろそろ3ヶ月が過ぎました。皆さんそろそろコロナ疲れでしょうか。
実は今再ブレークしているカミュの名著「ペスト」でもペスト感染そのものよりロックダウン疲れの方に人々はやられたような内容だったと思います。
戦いはこれからです。短期戦ではなく長期戦ということなので、性善説を取ったお上のやり方は批判もあるでしょうが前向きに捉えたいです。国民が性悪説との立場でロックダウンのような強制的な締め付けをすれば、短期戦で決着がつけばいいですが長期戦となれば息切れしてしまうかもしれませんね。
長期戦に備えてまずは免疫を高めて立ち向かいましょう!もうこれは以前からいろんなところで言われているので耳にタコができているかもしれませんが、今一度しっかり共有していきたいと思います。
まずは睡眠から。
これは最近スタンフォードの西野精治先生の「最高の睡眠」でも述べられています。余談ですが私がスタンフォード臨床免疫学教室にいた際、西野先生ご夫妻には本当に良くして頂いてキャンプに連れて行っていただいたりホームパーティーに呼ばれたりしました。帰国の際は西野先生の研究室に移ってでも残ること考えたんですが帰国してしまいました。残っていたら何か違う人生がおくれたかもしれません。
免疫と睡眠はとても密接に関わっていることがこれまで明らかにされています。特に睡眠時間ですが、最低でも6時間半以上、できれば7時間以上取った方がいいです。ただ闇雲に長いのがいいのでなく8時間以上になると逆に死亡率が上がるというデータもあります。
ライノウイルスというコロナとは違う風邪ウイルスがあるのですが、睡眠時間が6時間半以下だと4〜5倍程度風邪の発症率が上がるデータもあります。
日本人は睡眠時間が短いことが頑張っているような気になり、逆に長くなるのはちょっと罪悪感を持つことがあると思うのですが、短いと日中のパフォーマンスが明らかに落ちます。私ももともと4、5時間くらいしか寝ない習慣だったのですが、6時間半は最低でも寝るようにしてから体調良好を実感しています。
睡眠時間も大切ですが、その質がもちろんもっと大切で、特に最初のレム睡眠までの約90分が重要だと知られています。レム睡眠というのは目が動きながら寝ているいわゆる夢を見る時間帯ですが1回の睡眠で何回もレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されます。その1回目が大事なんだそうです。
なので寝入りばなが重要で、すーっと眠れるようにすることが大切です。このためには体温が下がっていくことが必要で、眠る前に体がすでに冷えているとそれ以上体温が下がりにくいので入浴等で体温を上げておいて眠りに入ることがコツだと思います。
ここで少し私の以前主張した高めの温度のお風呂入浴のススメと矛盾するのですが、眠る直前のお風呂の場合はぬるめのお風呂の方が副交感神経(リラックス神経)を活発化させるので良く、熱めのお風呂だと交感神経(興奮神経)が刺激されるので眠りに支障が出るというふうに考えられます。
ただまたこれは別の機会に詳しくお伝えしますが、熱めのお風呂で産生される熱ショック蛋白は非常に有益で、やはりお風呂は熱めがいいと思います。それを帰宅後早めに入って(外出時のウイルスを洗うためにも帰宅後すぐがいいと思います)、体を冷やさないようにし、寝る少し前に暖かい牛乳やハーブティー等を飲んで寝るというのがいいと思います。私自身は寝る直前に熱いお風呂に入って眠りにくくなったことはないです。
あと、眠る前にゲームは絶対やめた方がいいです。ネガティブなニュースをみて眠るのもあまりオススメしません。お笑いでもみてスッキリしてさっと寝る。明日きっといいことあるよなあと想像してニタニタしながら寝ると良質な睡眠になると思います。「醤油の魔人と塩の魔人」でニタニタしながら寝たらぐっすり爽快でした。
また、良質な睡眠のために大事なのは朝の起き方です。寝坊をせず朝さっと起きる。起きたらすぐ外の光を浴びて体内時計をリセットする。
起床時間が2時間以上遅くなるとうつ病を発症しやすくなるという報告が以前ありました。
朝から良質な睡眠獲得が始まるんですね。
良い睡眠で免疫を高めましょう!