コロナウイルスに打ち勝つために 〜免疫編〜 ②腸内細菌
私たちが食べたもの、どのように消化されていくのか。小学生の時理科の授業で習ったような記憶があります。
しっかり30回噛んだら、でんぷんが分解されます。飲み込んだら食道を通って胃に入ります。胃には胃酸があって酸で多くの食事が分解されます。1、2時間経つと十二指腸に移動して膵臓からの消化酵素でさらに分解されます。そして小腸で分解された栄養素が吸収され、大腸では水分が吸収され、残ったカスが便となって食事後24時間後に出て行きます。
多分小学校や中学校で消化の問題が出たらこれで正解になるかなと思います。
でも大事なことが抜けている部分があります。
それは小腸以降の記述です。
追加事項は以下になります。
小腸以降の腸管には500種類以上、約100兆個の腸内細菌がいます。食物繊維を消化する能力は人間には備わっていません。これら腸内細菌が分解してくれます。彼らはそれを餌に生きています。そして人間が生きていく上で大切な役割を彼らは握っています。それは腸内環境を整え、免疫系の成熟と機能を維持する働きです。そのためもう一つの内臓と呼ばれています。
実はこの腸内細菌は医学の世界でもトピックスで色々な疾患との関係が注目されています。一見関係ないような疾患でも腸内細菌を移植することで治療するという方法もあります。
今回は免疫に注目します。
実は血液やリンパの免疫が主体と考えられてきましたが最近の研究では免疫の70%は腸管免疫だとまで言われています。
主なものは腸内細菌の代謝産物の一つ酪酸が制御性T細胞の分化誘導を促進するとか、腸管の壁に存在しているパイエル板という場所に多くの免疫細胞がひしめいていて、それらの維持に腸内細菌が重要であることもわかってきているそうです。うーん、難しいですがとにかく免疫を支えているのです。
最近リーキーガット症候群というのが取り沙汰されています。これは腸管に隙間ができて腸管外に漏れ出して起こる疾患群のことを言いますが、これら免疫細胞の漏れ出し等も起こって免疫機能異常も起こることがわかってきています。このリーキーガットの原因と考えられているのがストレス、アルコール、高脂肪食等言われています。
ですからこれらを避けるような生活を送り、腸内細菌の居心地のいい環境づくりとしてヨーグルトや乳製品をしっかりとって欲しいです。私の経験上はケチ心出して安いヨーグルトにするより少々高めでもいいヨーグルトにした方がいいと思います。ヨーグルトが合っているかどうかは便通の状態で判断すれば大丈夫です。特に60歳を過ぎると突然善玉菌が減少していくこともわかっていて、それから整えるのでは遅いです。若いうちからしっかり整えて維持することが肝要と思われます。
ただ腸内細菌には餌も必要です。海藻、食物繊維(特にキノコ系の繊維が大好物です)も摂るように心がけてください。