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腎うっ血とは
腎機能低下をきたす病気には大きく分けて2種類あります。
一つは慢性腎臓病、慢性に経過する腎臓機能障害です。もう一つは急性腎障害、急激に腎機能が低下する病気です。急性腎障害には明確な基準がありまして、48時間以内に血清クリアチニン値が0.3mg/dl以上上昇するか、7日以内に血清クレアチニン値が以前の値より1.5倍以上に上昇するか、尿量が6時間以上0.5mL/kg/時を下回る(例えば体重50kgの場合1時間あたり25mL以下の尿量が6時間続く)かのどれかを満たせば診断されます。
最近よく耳にする慢性腎臓病ではこの期間についての明確な基準はありませんから、そこが両者の大きな違いになるかと思います。
急性腎障害の際に重要になるのが水の取り方です。
熱中症等脱水が原因で起こる急性腎障害の場合はもちろんしっかりと水分を摂る必要がありますが、最近注目されているのが表題にもあげた腎うっ血です。
これは心不全や浮腫等体に水分が溜まっていて、腎臓にも水が溜まっていて腎機能が急激に障害を得る場合の状態です。こういった場合は水を抜いてあげる治療が必要でむやみに水分を摂っては行けないです。
最近慢性腎臓病(CKD)でも「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023」では保存期CKD患者では、通常よりも意図的に飲水量を増やすことは行わないことが提案されました。1日1〜1.5L程度を1つの目安とし、水分の摂りすぎも摂らなさすぎも良くないと結論づけられています。
腎機能が低下した方は主治医から水分の摂り方をしっかり教えてもらった方が良いと思います。
