スティグマ(Stigma)という言葉をご存知でしょうか?
直訳すると「烙印」という意味です。
最近医療の世界ではこのスティグマということが問題視されています。それはこの「烙印」という意味が少し派生してネガティブな烙印ひいては差別につながるという意味として捉えられているからです。
例えば数年前にある精神疾患の病名が差別的意味合いにつながるので統合失調症に変更となったことややはり差別的名称から認知症という名称に変更があったこともご記憶にあるかと思います。
実は糖尿病も尿という排泄物が名称に入っていて差別的要素が入っているし実態は血糖値の上昇だから名前を変えようという意見が出ております。高血糖症候群や糖代謝異常症などが候補だそうです。
つまり糖尿病という名称が差別的意識を生む烙印を押される病名ということです。
これは病名だけではないです。
糖尿病と診断された方がイコール生活習慣がきちんとしていないだらしない人という烙印を押される傾向があるということが問題です。
決してそんなことはないんですね。きちんと運動して、食事も一般の皆さんと何ら変わらない方でも痩せ型の方でも最近糖尿病になる方増えているんです。患者さんの生活習慣が決して悪くないケースも多いです。むしろその方が多いと思います。
これは医療従事者にも責任があります。血糖が高いからイコール患者が悪い、だから叱る。というケースが往々にしてあります。
もっと患者さんに寄り添って烙印を押さず理解して共感して。
これが今後の糖尿病治療に最も必要なことではないでしょうか?
社会全体としても誤解をとっていただく必要があるかと思います。